鎌倉の海へ絵を買いにでかける
大げさな題名をつけてしまったけれど、鎌倉へは知人の義母さんの画廊の45周年記念の展示を見に出かけた。
最近あまりに出不精をしていたので、45周年記念という名目にかこつけて、”鎌倉”という名の観光名所にどうしても行ってみたくなってしまったのだ。
鎌倉は、退屈した田舎ものの私には、素晴らしい街だった。
住宅情報サイトSUUMOの住みたい街ランキング2018 関東 総合ランキング
によれば鎌倉は14位だ。一方で私の住んでいる千葉県八千代市からは、一つの街もランクインしていない。
住みたい自治体ランキング2018によれば、鎌倉市の12位に対して、八千代市は101位のようだ。
住みやすい街の条件は、住んでみないと分からないだろうから、鎌倉のようなブランド価値の高い街というのは、住んでみたら今一つということもあるかも、とは思うのだけど、駅から降り立ったときの浮き立つ気分はやはりすごい。
残暑と満員の江ノ電に、すでにうんざりしていたにも関わらず、思わず背筋が伸びるというか、体にシャキッとカフェインが入る感じがする。
初老の日焼けした小父さんが、白いTシャツにゴムぞうりで歩いているとする。八千代だと何だか、日焼けする仕事の人なのかなという感じなのだが、鎌倉だと、今でもサーフィンやヨットをするんだなって感じだ。やっぱりブランドはずるい。
鎌倉には、カフェと同じくらいの数のしらす丼屋さんがあって(たぶん私は話を盛っている)、カフェしかない新しい街にここでも渋く差をつけている。
さて、肝心の絵画展であるが、これがまた素晴らしかった。
展示は画廊と近くのホテルの会議場に分かれていて、画廊では小ぶりの作品、ホテルには大きな作品が展示されていた。
作品のほとんどが人物画だった。
絵画の場合、生物画と人物画では、人物がの方が人気があって、一般的には値段も高いのだそうだ。
人間は人が一番好きなのだろう。風景よりも生物より
さて、その展覧会のすごさは、74歳の女流画家と90歳の画商の人間力と商才だ。
気に入った絵を買えば、居心地のいい画廊にふと立ち寄って、画商の笑顔に迎えられながら、世間話をすることもできれば、画家のパーティに招待されて、パーティでいろいろと気をかけてもらうこともできる。
画家の画力も画廊店主の審美眼も大切も大切だけど、絵の価値や店主の人柄を信じられることの方が重要なのだ。
そして、画家も店主も誰がどの絵を何時、いくらで買ったか、すべて頭に入っているはず。そうでなければ、不公平だから…