竹久夢二をネットオークションで探したら
いつの時代も、絵画の中では美人画が一番人気。大正ロマンを代表する画家と言えば竹久夢二(1884-1934)。代表的なのは、日本画の技法で書かれた作品ですが、油絵の作品も残しているようです。
大正ロマンのロマンは、ヨーロッパのロマン主義から名づけられています。大正ロマンを大正浪漫と書くのは、夏目漱石の発案による当て字だとか。名前からして何とも風情があります。
理性偏重の合理主義に反発して、生まれてきたのがロマン主義。様式美を重んじる古典主義、沸き起こる熱情に身をゆだねることを肯定するロマン主義、自然や現実をそのまま描写することを尊ぶ自然主義と時代の気分は変化していきます。
大正ロマンは、本場ヨーロッパのロマン主義から約一世紀遅れで、大正時代(1912-1926)を中心に開花します。食事やファッションが一気に洋風化したこの時代は、女性の社会進出も目覚しい時代でした。
大正時代がわずか15年だったことを考えると、急激に社会が変化した時代だったんですね。
ところで、先日の鎌倉画廊ツアー以来、すっかり美術ビジネスに興味が沸いてしまった私。無謀にも学校の教科書に出ているような有名な画家の作品を、ネットで買うとどうなるのか探ってみました。
さて、まずはヤフオクのサイトで竹久夢二と検索すると、1,093件が検索された。商業画家としての側面も強く、版画、リトグラフ、画集の出版、雑誌の表紙などを多数手がけている竹久夢二の場合、ネットに出品される作品数は膨大です。
現在にネットに出品されている竹久夢二の作品は、肉筆であれば水彩画、水墨画、色紙など。真作保証のあるものであれば、木版画、リトグラフ、限定版の画集などです。
その他にも”コロタイプ”という手法で複製された作品を掛け軸等にして販売している場合もあります。
コロタイプというのは、150年ほど前にフランスで発明された最古の写真製版技術で、かつては絵葉書アルバム等に広く使われていたようですが、現在では文化財の複製等の限られた分野でしか利用されていないようです。
部屋に飾るなら年月で痛んだ本物より、新品のきれいな偽者の方がいいという需要もあるでしょう。
さて、肝心のお値段ですが、真作保証(贋物であるという証明を専門機関が行った場合には全額返金)がついた水彩画で150,000円くらいから出品されていました。作品の状況次第で値段は大きく変わるようです。
竹久夢二は1934年没なので、著作権すでに消滅している。ということもあって、ネットには竹久夢二グッズがあふれています。
さて、貴方はどのように美術作品を楽しみますか?