真行寺りえのブログ

発達障害の母がマイルドな認知症に。アラ還のお一人様が介護とシニア起業の合間に毎日の気づきをつづっています。

昼カラオケの足音

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 行き着けの喫茶店に向かって、踏み切りを渡ろうとしている時、目の前を歩いていたおじいさんが、線路沿いを歩いてきたおばあさんに気がついて、うれしそうに挨拶をした。二人とも80代だろうか。

 

 「今日は、あとで〇〇〇〇に行くの」。おばあさんは近くの昼カラオケをやっている店の名前をあげた。

 「そうなの…」。おじいさんは、嬉しそうに会話を続けた・・・。おばあさんと話すときは、おじいさんも何気に語尾が女っぽくというか、柔らかくなるようだ^^。

 立ち止まって聞き耳を立てているわけにも行かないので、私は会話の脇をとおり過ぎる。

 昼カラオケ(通称”昼カラ”)には、いろいろな意味があるようだが、その中身は二に分かれるようだ。

 まず、①カラオケボックスの定額昼食つきプラン(2,000円が主流)で、ターゲットは、子供連れのママさんグループ。カラオケボックスは、じゅうたんが敷いてあるので、子供を遊ばせるのには手ごろ。

 そして、②カラオケスナックの食事なしの昼プラン(1―5時の4時間で1、000円が主流)。こちらは、昼間家にいる70代以降の男女がお客さんの主流となる。

 私が気になっているのは、②の昼カラの方。

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 喫茶店について、マスターとしばらく話していると、ばっちりおしゃれをした常連のおばさまがご来店した。いつも"昼カラ”の前に、喫茶店でコーヒーを飲んでから、出陣される。

 昼カラに興味深々な私は、先ほど踏み切りで観た光景を報告する。

 すると、おばさまは、

 「きょうは、開店〇〇周年記念だから〇〇へ行って…」でも、普段は、〇〇と〇〇に行って…」とご自分のスケジュールを説明してくださった。

 そうか、私の喫茶店のように同じ店にばかり行くわけではないんだ、といまさら気がつく。

 当たり前といえば当たり前だ。1件しか馴染みの店がなくて、そこで居心地が悪くなれば、行き場がなくなってしまう。 なので、昼カラにひとりで行く人は、何件か馴染みの店があって、何件かの店をぐるぐると回っているようだ。

 こうしてみると、老後は、まるでフリーランスの世界のようだ。自分でやる事を探して、やる事を組み合わせて、自分の世界を作っていく。そして、重なりが大きい人との関係が深くなっていく…みたいな。

 でも、昼カラもグループ活動OKのようだ。喫茶店の近くの昼カラのお店から、4人連れの婦人客が、マスターに見送られて出てくるのを見かけたことがある。それはそれで、楽しそうだった。
 昼カラの楽しみ方もいろいろのようですね。